寂しいなんて言わないよ

 

side:受

 

真っ暗な暗闇の中、囁き声の会話が響く。

 

「僕がいない時、何してた?」

 

「・・・何って、別に・・・・フツーだよ」

 

「“フツー”って?」

 

くすっと笑われて思わず目を反らす。暗いのでよく見えないが。

「・・・飯食って、学校行って・・・・・ゲーセンで遊んで・・・」

「新作でもあった?」

「・・・・・いや、別に・・・」

言葉を濁せば、恋人から笑う声が聞こえる。

きっと、バレてる。

 

「・・・・寂しかった?」

「・・・・・――ッ」

 

そんな言葉じゃ足りないくらい、なんて言わないけれど。